【民事信託】円滑な財産管理と承継を実現
ご依頼内容・対応と結果
依頼者は兄で、母親の財産管理をめぐり、弟との関係が悪化していました。父親はすでに亡くなっており、母親の主な財産は賃貸用アパートでした。
私は、依頼者からの相談を受け、母親を委託者、兄を受託者とする「民事信託契約」の締結を提案しました。
契約書では、母親の財産を兄が適切に管理して、母親の生活費はその財産の運用から捻出すること、そして母親の死亡後には母親が希望する形で財産を承継できるよう、その仕組みを明確に定めました。
契約締結後、依頼者である兄は、対立する弟から干渉を受けることなく、安定的にアパートの管理・経営を行うことができました。
その後、母親が亡くなった際には、弟からの過度な介入を防ぐことができ、あらかじめ定めた信託契約の内容に基づいて、母親の希望どおりの形で財産の承継が実現しました。
弁護士コメント
民事信託(家族信託)は、本人が元気なうちから財産の管理や将来の承継方法を定めておける制度として、近年注目されているスキームです。
ただし、契約内容には多くの法的検討が必要であり、銀行との調整や税務上の検討、税理士など他の専門家との連携が欠かせません。
本件でも、依頼者と専門家との間に立ち、細かな条項の設計と実務的な調整を重ねました。
その結果、将来の紛争を未然に防ぎ、依頼者にとって最も望ましい形で財産の管理・承継を行うことができました。
生前にご自身の財産を安心して管理・承継したい方、あるいは認知症などへの備えを考えている方は、民事信託(家族信託)という選択肢も有効です。
当事務所では、信託契約の設計から締結、実務上の運用まで、依頼者のご希望に寄り添いながら丁寧に対応いたします。
